男性更年期障害に効く漢方薬にはどんな種類があるの?

男性の更年期障害はまだまだ認知度が低く、女性のように閉経といった指標があるわけではありません。

しかし、男性の身体機能は30歳を過ぎたころから徐々に低下していき、気付かぬうちに様々な不調に悩まされることになります。
そのうちの一要因であり気付きづらいのが男性更年期障害です。

特に40代くらいから徐々に体の衰えを感じる男性は多く、体力に留まらず性機能や気力も同時に低下していきます。これらの症状が顕著に現れているならば、更年期障害を疑う必要があります。

そして男性更年期障害の治療法のひとつに漢方薬治療があります。実際に病院で診察や検査を受けた方なら分かると思いますが、男性更年期に漢方薬が処方されることは珍しくありません。

更年期障害における漢方治療というと、女性の為のものというイメージが強いですが、男性の更年期障害に対しても漢方は用いられています。しかし、一般的に男性専用の漢方というのではなく、女性に処方されているものと同様の名称の漢方薬が処方されています。

「男性の更年期障害に効く漢方薬ってあるのかな?」と疑問に思っている方は、男性専用の漢方を探しているかと思われますが、男性用、女性用ということはありません。

このページでは、男性の更年期によく処方される漢方薬についてまとめます。

男性更年期障害に効果的な漢方薬

男性の更年期障害に効果的な漢方薬は意外と多くあります。しかしながら、これが絶対効く、これだけが良い、と言うものではなく、漢方治療は基本的に証(ショウ)と呼ばれる個々人の状態に合わせて証に合った処方がされます。ですので、自分に合った漢方薬を見つけることが大切です。

当帰芍薬散
当帰芍薬散はもともと冷えやめまいに用いられる漢方ですが、男性更年期においても、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、肩こり、冷え性などに用いられます。また男性不妊の漢方治療薬としても処方される場合があります。
参考リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/61/3/61_3_319/_pdf
加味逍遙散
加味逍遥散は、女性の更年期障害においても処方されることが多い3大漢方のうちの一つです。しかし、男性更年期に対しても証が合い効果が期待できる場合は処方されることがあります。ツムラの医療用漢方製剤の方の加味逍遥散の「くすりのしおり」を見てみると、
「冷え症、虚弱体質、月経不順、月経痛、更年期障害の治療に使用されます。
通常、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある体質虚弱な婦人に用
いられます。」
と書かれているので、「婦人」という部分がひっかかり病院で処方され疑問に思う方もいるかもしれませんが、不眠、不安、イライラ、ストレスそしていわゆる不定愁訴に対しても処方されています。
桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸は血行不良を改善する、いわゆる?血に対する処方として有名です。血液の巡りを良くするため冷え性や頭痛に処方されます。
補中益気湯
補中益気湯はもともと虚弱体質の肩や食欲不振、胃腸が弱い方に処方されますが、陰萎に対しても効果がある為男性不妊の治療にも処方されます。医王湯とも呼ばれています。代表的な補気剤(ほきざい)のうちのひとつで、六君子湯(りっくんしとう)、啓脾湯(けいひとう)、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)人参養栄湯(にんじんようえいとう)清暑益気湯(せいしょえっきとう)」などが補気剤にあたります。補気剤とは名前の通り、「気」を補う漢方薬の総称であり、気虚に用いられます。
参考リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sanpunosinpo1949/48/4/48_4_406/_pdf
牛車腎気丸
牛車腎気丸は腎虚に対して用いられる漢方で、主に下肢の冷え、むくみ、神経障害、排尿障害や夜間頻尿に用いられる為泌尿器科で処方されることの多い漢方です。「腎」を補う補腎剤(ほじんざい)のうちのひとつです。六味地黄丸、八味地黄丸も補腎剤であり、八味地黄丸に牛膝(ごしつ)、車前子(しゃぜんし)を加えたものが牛車腎気丸です。牛膝には血の改善作用と強精作用がある為男性更年期のED改善にも用いられます。
十全大補湯
十全大補湯のように、補気・補血両方の役割を兼ね備えている漢方薬もあります。気血双補剤と呼ばれますが主体は補気です。病後の体力低下、倦怠感、食欲不振、貧血、四肢の冷え、寝汗に用いられます。これら漢方は強い体が作れるので、持続的に飲んでいると男性更年期障害はもちろん夏バテしにくなったり、動きやすくなったり、体力と共に健やかな気持ちも取り戻せます。


男性更年期障害は、精神的な症状が出やすいのも特徴です。心の落ちこみ、集中力の低下、自殺願望など鬱病にもなりかねません。男性更年期障害と定年退職が重なる事も多く、生きる意味を見失いがちになってしまい病気悪化も促進されて、最悪のタイミングとなる場合も、男性更年期の精神症状に対しては以下の漢方が処方されます。
柴胡加竜骨牡蛎湯
さいこかりゅうこつぼれいとうと読みます。動悸、不眠、神経症、いらいらといった精神不安に。比較的体力のある方に処方されます。
桂枝加竜骨牡蛎湯
けいしかりゅうこつぼれいとうと読みます。ふさぎ込んだり抑ウツ気味、精神不安。泌尿器の問題や男性機能の低下にも処方されます。
抑肝散
よくかんさんと読みます。私が飲んでいる漢方も抑肝散ベースのものがあります。抑肝散はもともと子供の疳虫や夜泣きといった疳の強い子に使われていましたが、更年期障害や不眠、イライラや神経の昂ぶりを落ち着かせる目的で成人にも処方されます。
加味帰脾湯
かみきひとうと読みます。貧血気味で虚弱体質、自律神経の乱れも生じ、精神不安や抑ウツ。食欲不振といった胃腸が弱いことから生じている症状に処方されます
酸棗仁湯
さんそうにんとうと読みます。不眠症に用いられ、自律神経の乱れや抑ウツ、心身疲労に処方されます。不眠のパターンの中でも特に睡眠のリズムが狂ってしまったり眠りの浅い方によく用いられます。

漢方薬は性別、子供、成人問わず幅広く用いられていますが、医療用漢方製剤と一般用漢方製剤の違いでも配合量は随分異なります。一般用漢方製剤は第2類医薬品であることが多く、自ら薬局で購入することも可能ですが、ご自身の症状とはそぐわない真逆の作用をしてしまう生薬が入ってしまう可能性も否定できません。

ですから、男性更年期障害と漢方薬について詳しい病院の診察を受け医療用漢方製剤の処方を受けることを強くおすすめします。

薬局で購入する場合も自分で決めずに薬剤師さんに相談相談するなどしてご自身に合った漢方薬をみつけてください。